ちょっと驚き、報道ステーション

ちょっと驚き、報道ステーション

ちょっと驚き、報道ステーション (MMT報道について)

7/16の夜に民法放送局(テレビ朝日、テレビ東京)が

MMT(現代貨幣理論)についてのシンポジウムの模様を報道していたのには驚きました。

なぜなら、この理論は「日本は借金で破綻する」という理屈で

国民に増税を受け入れさせようとしたい○務省にとっては、

目障りな理論だからです。

よく報道することに圧力をかけなかったなと思います。

MMTが提唱している内容を簡単に言えば、

「自国の通貨で売買できる国債を発行できる国は、財政破綻しないし、借金の存在もない」

ということです。

概略は、私のつたない説明のブログ「お金のしくみ」でお話している内容もご参照ください。

MMTはニューヨーク州立大の、ステファニー・ケルトン教授によって提唱され、アメリカの民主党議員によって

支持されたことで、現在アメリカで大きな話題となっている理論ですが、
日本でも10年ほど前から京大の藤井教授をはじめとした、
色々なアナリストによって広めようと活動がなされていました。

今回そのケルトン教授を招聘しシンポが開催されたわけです。

一般報道などされないと思っていたのですが

なんと報道ステーションとWBSで放送されていました。

しかし、報道ステーションを見ているとやはり「疑いの目」で解説されていましたし、

肝心な説明が抜けており、

コメンテイター自身もよく分かっていないことが、アリアリと分かりました。

MMTの基本部分を理解することで、「日本は借金があってお金がないから、国民の望むことが実施できない」と

いう政治家、官僚の言葉を鵜呑みにすることはないですし、

お金を使ってどんどん政策を実施していかないと、

日本はもっとダメな国に成り下がることが実感できると思います。

そして、今度の参議院選挙において、各候補者がロクなことを言っていないことも分かってしまうので、

落胆するでしょう。

「先決問題はそれじゃないでしょう?」ということです。

しかし、誰かを選ばなくてはいけないので悩むところです。

さて、報道ステーションをご覧になっていた方のために、

MMTについて番組で解説されなかった部分を含め、

再度簡単にお話しいたします。

ご存じのように国の政策や制度を実施するためや、

公共物の補修、建設や研究開発費用などは「国債」を発行して

費用を捻出します。

プロセスはこうです。

①政府が国債発行する 

②銀行などの金融機関がこの国債を購入 

③政府は国債売却で得た資金を「政府小切手」というものに変えて
 仕事を発注した企業に費用を支払います
↓ 

④企業は代金として得た「政府小切手」を銀行へ持ち込み、自分の口座に代金を振り込んでもらいます。

⑤「政府小切手」を企業から受け取った銀行は、その立て替えた代金を日本銀行へ依頼して、
政府から返金してもらいます。

⑥政府は国債を売却した代金を持っていますので、それで立て替えてくれていた銀行へ支払います。

これでひと通りのサイクルが完了です。

その結果、国債が発行されたことで、企業は収入を得ます。

金融機関は利息がつく国債を手にしています。

国債を売りたければ日本銀行が買ってくれます。
(現在、「金融緩和政策」という名目で日本銀行が大量に国債を買い戻していますよね。)

国債が適切に発行されることで何も害はありません。

ここで大切なのは、国債の購入、売却は「日銀当座預金」を介して行われるということです。

この「日銀当座預金」の存在を報道ステーションの解説は省いてしまっているんです。

「日銀当座預金」は一般企業や国民は持っているものではありません。

日銀、政府、金融機関しか持っておらず、この3者間での取引にしか使いません。

国には2つの財布があると考えてもらえればいいでしょう。

1つは私たちの預金全体を指す財布で、税金はここから徴収され使われます。

もう1つは「日銀当座預金」を指す財布で、税金で賄えない不足金を捻出する国債を売買します。

*****ここが大事*****

ですから、金融機関が国債を購入するときは、各銀行が持つ「日銀当座預金」の残高を使って購入されます。

決して、私たちの預金が使われるわけではないのです。

政府がいくら国債を発行しても、それを金融機関がいくら買い取っても、私たち国民には関係がないのです。

買い取った金融機関が国債の利息を得られるだけなのです。

国債を使って一般企業に政府が公共物建築などの仕事を発注してはじめて、私たちに関係してくるのです。

なぜなら、仕事を請け負った企業は国債発行により、収入を得られるからです。

報道ステーションでは、国債が発行されてそれが企業の収入になっている間は、お金が回り続けるため

破綻の問題はない、と説明していましたが、それだと国債の購入費用は「国民の預金」を使っていると

まだ勘違いさせておきたい意図がミエミエなんですね。

わざと、「日銀当座預金」の存在を説明しないんです。

だから、富川アナも「MMTのそんなシステムで大丈夫なんでしょうか?」などと言ってしまうんです。

彼もまた、国民の預金が使われていると信じ込まされている被害者ですけど…

****** もうひとつ大事なこと ******

そんな万能薬のように聞こえるMMTですが、万能薬ではありません。

「インフレ」に気をつけなければいけません。

「インフレ」が起きるときは、例えば生産能力が100なのに対して、

発注や需要が120来てしまった時などに起きます。

つまり、モノが不足しているときには、「物価が上がる」わけです。

国債発行をし過ぎると、それだけ世の中に「需要、発注」が過剰に生まれます。

すると、日本全体の生産能力をオーバーし、物価が上がり、「インフレ」となります。

ですから、計画的に国債を発行する必要があるということです。

ただし、日本は今、「デフレ」(モノがあまっている)であり、国債の発行額は史上最低レベルです。

資金が必要な政策、制度や災害のための強靭化計画、医療分野の研究などに投入していれば、

極度のインフレを招くことはありません。

報道ステーションのコメンテイターは、「ハイパーインフレ」が起こることもあり得ます。

などと言っていましたが、ハイパーインフレは戦後直後の状態を指します。

いくら国債を発行しすぎたといえ、戦後直後のモノのない状態になるでしょうか?

いい加減なコメントですよね?

今後、MMTの報道がされているのを見かけたら、どんな説明をするのか気をつけてみてくださいね。

長文をお読みいただきありがとうございました。

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