心の土壌
「心の土壌」とは、色々なことを見聞きしたり、経験したことで考えさせられたり、
気付かされたりすることを自分の心で醸成させ、
自分の栄養にできる心の状態かどうかを表すものと考えています。
畑の土壌が悪いと作物が育ちにくいように、
「心の土壌」の状態が悪いと、見聞したこと、経験したこと、人からの助言を頭ごなしに否定し、
自分のプラスにすることができず「心」が育ちにくくなります。
では、心の土壌を良くしていくにはどうすればいいのでしょうか。
①他人との比較をやめる
一般的に、「つまらないプライド」というものが高い人は、土壌を改善していくことに少し苦労をします。
なぜなら、そういった人は必ず自分と他人を比較する心のクセがついているからです。
もちろん、他人があって自分という存在を確認できるということはありますが、
他人の目などは一旦脇へ置いて「自分はどうありたいか」ということが、最初にこだわるべき大事な点です。
他人の目や評価などは「一時的なもの」がほとんどです。
その場の雰囲気や、自分の立場を守るためや、多方面からの圧力、
ひどい場合は"なんとなく"という根拠のない感情に基づいて批判することが多いものです。
そんなことのために自分を合わせていくことは、非常にもったいないことです。
「他人との比較」をやめれば、自分の心に寄り添った考え方や、ものの見方ができるようになりますので、
心に無理を強いることが避けられ、土壌が良くなるのです。
自分を納得させることができるのは、「自分の心」だけなのです。
家族でさえ助言はできても、自分の心を納得させることはできません。
「心の土壌」が悪ければ、その助言さえも受け入れることができません。
②小さな感謝をしていく
「小さな感謝」ができるということは、
周りにある多くものに喜びを感じられるということですから、
そういうものに囲まれている日々を過ごせるという、
ある意味非常に「お得な毎日」を人よりも味わっていることになります。
ある農芸高校の生徒さん達は草花や野菜のことを勉強するにつれて、
通学時に見かける道端の草花や畑の野菜に目が行くようになり、
自分が勉強したものに出会い、元気に育っているのを見ると嬉しくなるそうです。
普通なら毎朝の通学時はダルい気分でいるものですが、
彼らは朝から幸せな気持ちになれる分、ほかの人たちよりずっと得な朝を過ごせているわけです。
一日のスタート時点で気分が良ければ、更に良いことを呼び込むという好循環につながります。
「小さなことに感謝する」のは小さなことで満足しなければいけないということではありません。
自分には感謝できることが多くある、
つまり自分は「幸せなプラスの流れ」の中にいると意識できれば、
たとえそれまでツイていなくても、「小さな感謝」を数多くしていくことで
運気の流れをポジティブな方向へ自ら変えることもできるいうことです。
悪い流れを断ち切って、良い方向へ素早く修正できるということは、
いつまでもネガティブなことに引っ張られることがないので、
心も良い状態を保てるという事です。
③自分のやりたいことを追求する
これは①の「他人との比較をやめる」の補足になりますが、
自分がいいと思うものでも、他の人にとってはさほどでもないことが多いですし、
他人がいいと思うものでも、自分はそれほどでもないということも当然あります。
個人によって必ず温度差があるのは間違いないと言っていいでしょう。
ですから他人の評価がどうであれ、所詮お互いの感覚がすべて合致することは無いのですから
自分が納得するものを追い求めるべきだと言えます。
年齢や、やりたいことの大小、種類に関係なく、
それを追い求めることが人生の意味だと思います。
それを追い求める気持ちが心の土壌をよくする栄養です。
なぜなら、追い求める気持ちがあることで心が一つの場所に止まらないからです。
調べたり、勉強したり、助言を聞いたりする姿勢が自分の心を澱ませることなく、
前へ前へと進めるからです。
それにより些細なことには気をとられず、
自分の心の中に一本筋の通った「中心核」みたいのものが出来上がってくるでしょう。
そうすれば気持ちも多少のことではブレなくなっていきます。
例えるなら、ヘッドフォンで好きな音楽を聴いていると周りの雑音は聞こえませんから、
たとえ悪口を言われていても、聞こえませんし気になりません。
好きな音楽に没頭しているわけですから、
本人はいたって幸せなはずです。そのようなイメージです。
他人の評価がどうであれ、違法なことや反社会的なもの、他人に迷惑をかけるものでない限り、
自分の好み、思い、望み、楽しみを追求することが、自分だけの世界を作ることになります。
「自分の世界」を持っている人は幸せであるばかりか、
持っていない人にとっては羨ましいものです。
自分のやりたいことが職業になり、それが他の人の役にも立つということがベストな形ですが、
職業として成立しなくても、自分のライフワークであったり、趣味であっても構いません。
それをマスターしたり、スキルを上げていくにはコツコツとした作業や、我慢や、スランプも経験するでしょうが、
心の土壌が良く、中心核が備わっていれば、それらさえも心の栄養とできるでしょう。
分かりやすい例でいえば、「マツコの知らない世界」という番組に出てくる「案内人」さんたちです。
彼らは、その道のいわゆる「オタク」です。
職業としてして成立させている方も多いですし、仕事とは別に自分のライフワークとしてその世界を
追究している方も多いようです。
もちろん、その世界が好きだからできることです。
「人生の成功者」や「勝ち組」などの言葉が世間で踊っていますが、
金銭的に裕福であることがその意味に使われているようです。
私の考えでは「自分のやりたいこと」が見つけられた時点で既にその人は「成功者」だと思います。
目標を達成できた、できなかったに関わらず、それを見つけた時点でその方向に向かおうとしたなら、
心がそれを中心に動いていくはずですので、金銭的に裕福ではなくても充実した日々を過ごせるはずです。
職業であってもそうでなくても、あの番組の案内人さん達は羨ましい「人生の成功者」たちです。
やりたいことが分からない状態でも、あきらめずにそれを探し求めることで心が動きます。
どんな人でも必ず「得意な分野」や「苦手意識が少ない分野」があるはずです。
もし今いる環境が苦しいなら、それは自分の苦手な分野であったり、不得意な分野に身を置いていることが多いものです。
得意な分野が見つからなければ、苦手意識が少ない分野を探すようにしてみましょう。
そこから自分の知らなかった得意分野が見つかることも多いのです。
または、たとえ今は苦手な分野に身を置いているとしても、自分のライフワークが確立しているなら、
それを中心に日々の生活を過ごせるので、充実した日々を過ごせることも多いはずです。
例えば、仕事が充実していなくてもアフターファイブで自分のライフワークに勤しめるなら、
アフターファイブのために仕事を効率よく片付けようという意識もはたらきますので、
イヤイヤながらでも仕事で結果を残せるようになります。
人のことを妬み、事あるごとにケチをつけ、自分の事も卑下しすぎるような心の状態は、
そうすることで鬱憤を晴らせているような勘違いをさせてしまいます。
それは間違いなく心の土壌が悪くなるばかりで、そのまま時間が過ぎていき、
晩年には心の畑に何も育たなかったということになります。
④デトックスを心がけましょう。
「濁った水にいくらきれいな水を注いでもきれいにはなりません。」
まずは、心の澱みを取り除くことに目を向けてみましょう。
いわゆるデトックスです。
イメージングのコラムでもお話しましたが、何かイヤなこと、マイナスなことが身に起きたなら
それを排除するデトックスやリセットのイメージを素早く持つようにしましょう。
それには、まず無理やりマイナス方向に捉えることはやめていきましょう。
実際、「あれもダメだ、どうせこれもダメだ」「そんなことしてもムダだ」と思う方が楽です。
何もしなくて済むからです。
物事にはほとんどの場合、プラス面とマイナス面、メリットとデメリットか共存しています。
そのプラス面、メリットが自分にとって多いのか?
マイナス面、デメリットは、やり過ごせるものなのか?
双方を天秤にかけてプラス、メリットが多ければマイナス面にはこだわらず、
どんどんプラス面を伸ばしたり、利用したりするほうに目を向けて気持ちを進めるほうがいいのです。
几帳面な人、責任感が強い人ほど100%を求めがちです。
「この世に100%など無い」と心を切り替えて、転換をすばやくしていくことで
次のチャンスもまた訪れやすいのです。
素早い「リセット」「デトックス」を心がけ、心に膿を溜めないようにしましょう。
年号も令和に変わりました。
新しい年に向けて「心の土壌」をよくすることを目標に置いてみませんか?
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