マメ知識 お金の仕組み 5

マメ知識 お金の仕組み 5

マメ知識 お金のしくみ 5

今回はまず、「デフレ」という言葉が何を意味するのかお話します。

例えば、日本のモノやサービスの生産力が100だとします。

そして、日本国内でそれを必要とするいわゆる「需要」が70だとします。

そうすると、生産力が30余ってしまうことになります。
その30を消化するには値段を下げて売りさばくか、生産力を減らさなくてはいけません。

このように本来持っているモノやサービスの生産力よりそれを必要としている需要が少ない状況を
「デフレ」といいます。

余ったモノやサービスの値段を下げて消化すると、企業の収益は少なくなりみなさんの給与も下がるか、
現状維持のままとなります。

一方で生産力を落とすと、人員があまり失業者が増えることになります。

”みなさんの給与が上がらない”、”失業者が増える”ことで国の税収は上がらず、必要なところに補助金も回らず、
世の中が閉塞的になり「じり貧」状態になります。

日本は平成以来、ずっとこの状態です。

「人手不足」といわれているのは、介護、教育、運輸、医療など一部の分野です。

そのほかでは人余り状態ですから、正規雇用が増えないのです。

正規雇用が増えないから、政府が無理やり正規雇用を増やすように企業に指導しているのです。
全般的に人手不足なら、政府がそんなことはしませんよね?

その反対に、モノやサービスの生産力以上に需要がある場合は、「インフレ」といいます。

モノやサービスの数が足りない状況ですので、多少値段を上げても消化できます。
その結果、「物価が上がる」、給与も増えるという流れになります。

ただし、「インフレ」も過度になりますと、物価が高くなりすぎてみなさんが消費を減らしますので、
経済がまた停滞することになりますから、「ほどよいインフレ」が世の中にとってはちょうどいいのです。

それでは、現在の日本は「デフレ」ですが、もう需要を増やせないのでしょうか?

そうではありません。

現状は、年金が減らされたり、医療負担費用が増えたり、女性が働こうにも子供を預ける施設が少なかったり、
「将来不安」の要素ばかりが目に付いて、消費を増やす気になれないのが今の日本国民の心境だと思われます。

日本人の貯蓄率は高いのですから、多少の支出を増やす余力はあるのだと思いますが、安心して今より支出を
増やす気になれないということでしょう。

「将来不安」が少しずつでも解消されれば、それに伴い消費は増えていくはずです。

日本は通貨を新たに発行できる力があるのに、税金だけですべてを賄おうとし、不足分は増税しなくていけないという訳の分からない呪縛に従っているだけなのです。

悪の権化のように言われる「国債の発行」ですが、国債とはそもそも「政府が世の中へ仕事を発注」し
「需要を喚起」するものですから、それを減らすという考え方自体がおかしいのです。

ただし、前回もお話したように、無計画に集中して国債を発行すると混乱を招くことになります。

ですから、国債発行の長期計画を発表するだけでも、企業側はその準備のために設備投資や人員を増やしたりするするはずですから、それだけでも景気浮揚の力となります。

景気浮揚により、年金を保証できればシルバー世代や若い世代の支出も増えます。

医療費が増えれば、関連産業が充実します。医師にもまともな給与が支払え、医師の少ない現場や分野にも
人員が増やせます。

教育分野にまともな補助金が回れば、教師や教育の質も上がり、教員の数も増やせます。

教育現場で多様性が生まれ、子供たちの個性に合わせた教育システムを導入する学校も増えるでしょう。

保育所や子供をケアする施設が充実すれば、出生率も増え、女性の就職も増え消費も上がるでしょう。

また、日本は技術立国です。

色々な分野への研究開発費をもっと補助すれば、関連産業の仕事も増えることになりますし、
そのようなところに迅速に資金を補助していかないと、どんどん他国に乗っ取られることになります。

今の日本はすべて真逆の方策ばかり行なっているのです。

「すべて税金で賄わなくてはいけない」というウソの呪文に惑わされ、
各分野での問題解決の方法と改善する力が日本にはあるのに、
政府からの補助金がないばかりに、一向に進展させられずそのしわ寄せがすべて一般市民にきているのです。

税金をいくら払っても、生活環境が良くなった実感はありません。

あたりまえです。

税金だけでは、慢性的に資金不足だからです。

これまで、日本銀行が日本円を発行できる力があり、税金の不足分を補えるとお話ししてきました。

「じゃあ、税金なんて要らないじゃん、全部国債で賄えばいいじゃん」と思うかもしれませんが、

税金を徴収しなければ、一部の富裕層が余った資金で不動産などを買いあさり、
またバブル経済が起きることになるでしょうし、
税金を公務員や議員の給与に充当しなければ、彼らに足かせをはめることはできません。
ちゃんと働かなければ「税金泥棒」と言われるからです。

第二に、国債を発行することは、「世の中に需要を生み出す」ことですので、
一度に発行しすぎると、モノやサービスの価格が上昇しすぎることになります。

例えば、公共物の建築の例で言えば、大量の国債を発行して老朽化した建築物の補修をした場合、
もし、それが一度に集中してしまうと、人手や材料が急激に不足し、価格が急騰してしまいます。

これが建築以外のさまざまな分野で起きてしまうと、国内情勢に混乱を招くことになります。

ですから、計画性を持って、長期にわたって国債を発行し資金不足の分野に充当すれば
急激な物価上昇は引き起こさないでしょうし、景気が浮揚すれば税収全体が増えてきますので、
消費税を上げる必要もなくなってくるのです。

逆に長期に渡ってやらなければいけないことですので、はやく着手する必要があるのです。

このように、理論上は「無税社会」は可能でしょうが、税金である程度規制しないと思わぬところに
ほころびが生じて社会が機能しなくなるのです。

現在の日本は、すでに発行された国債の量も少ないうえに、政府が国債発行を控えているため、
世の中へ仕事の発注ができず、需要も喚起できないため、物価が下がり続けています。

その結果、みなさんの給与も上がらないという「デフレ」の悪影響が続いているのです。

次回は、「日本銀行の金融緩和策って?」「日本は借金大国なの?」についてお話します。

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コメント

  1. お金のことは学校では教えてくれないのですごく勉強になります。ありがとうございます!

  2. デフレの悪影響が続いているのですね。給与が少しでも上がればいいなって思っています。

  3. いつも読みにくい文章ですいません。でも、がんばって読んでくださいね。

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