マメ知識 「お金のしくみ」 4

マメ知識 「お金のしくみ」 4

マメ知識 「お金の仕組み」 4

前回までの話で、「お金のしくみ」が皆さんの口座残高のやりとりということであり、
銀行という「社会的信用」が認知されている存在は、通帳に数字を記入するだけでお金を貸し付けることができ、
それはお金を新たに生み出すことができるという意味であることがお分かりいただけたでしょうか?

それを踏まえて、みなさんが知るべきなのに、実は知らされていない大切なことをお話します。

日本やアメリカ、その他、経済力のある先進国には国の財布が2種類あるということです。

ひとつは、みなさんから各種税金を集めた財布で、

もうひとつは、各銀行や生命保険会社など金融機関が日本銀行との間で作っている
「日銀当座預金」という口座が2つめの財布です。

「日銀当座預金」は私たち一般人や一般企業は利用できません。

あくまで、金融機関が日本銀行と,銀行同士のやり取りにだけ使うことができます。

「日銀当座預金」は日本銀行が主として、金融機関が持っている日本国債を買い取るときや、
金融機関が日本国債を購入するときに使われます。

簡単な流れはこうです。

まず政府が国の各種設備の整備、または事業や研究促進などのために「国債」を発行します。

例えば、老朽化した公的な建築物を補強するために発行されます。

つまり、国債を発行することで建築業界へ「仕事を発注」するのです。

政府と一般企業はお互いに直接お金をやり取りする「口座」を持っていませんので、
双方と口座を持っている「銀行」という存在に仲介してもらいます。

政府は建築の代金として国債を一旦、銀行に購入してもらいその資金を調達します。

そして政府は企業に対して「政府小切手」というものを渡し、企業は建築費用として受け取ったその「政府小切手」を
銀行へ持って行きます。

「政府小切手」と引き換えに、銀行は企業の口座にその代金を記帳します。

ですから、「政府小切手」は代金をもらうための「引換券」のようなものです。

受け取ったお金で企業は、皆さんの給料や建築資材に費用を支払います。

つまり、いつも悪者扱いされている「国債の発行」は、最終的には皆さんの給与などに反映されてくるのです。

一方、国債を購入した銀行は、国債を持っていることでその金利が収入となります。

さて、ここで日本国民全員が誤解している大きな問題があります。

それは、銀行が政府から購入した国債の代金は、みなさんの預金を使って支払われているのではないか?
ということです。

全然違うんです。

世の中の悪い人たちは、国民に誤解させておくことで、税金を上げやすくしようとしています。

「国債を発行すると、自分たちの預金が使われてしまう。
それなら、税金を上げたほうがマシだ。」

そう国民が考えるように仕向けているんです。

実は、銀行が国債を購入する費用は、先ほどの「日銀当座預金」の残高から支払います。

前回説明しましたように、みなさんの預金は銀行の資産ではないので、勝手に手をつけることはできません。

法律で銀行は「日銀当座預金」に一定の残高を残しておくことが義務付けられています。

国債を購入すればその残高が数字上、減らされるだけなのです。

銀行は自分の残高の範囲で国債を購入します。

一方、銀行が受け取る国債の利息も、日本銀行が各銀行の「日銀当座預金」の残高に数字を書き入れるだけです。

これは、前回お話したように銀行はみなさんにお金を貸し出すには、みなさんの通帳に数字を記入すれば終わり、
というしくみと同じです。

日本銀行が支払う国債の利息や、国債を銀行から買い取った時の代金には、みなさんの預金や税金は一切使われないのです。

銀行が持つ「日銀当座預金」の通帳に数字を記入するだけなのです。

日本銀行が各銀行に対して100億円支払うなら、銀行が持つ「日銀当座預金」の通帳に「100億円」と記入すればそれで終わりなのです。

日本銀行がこのように各銀行の「日銀当座預金」の通帳に金額を記入することを「お金を発行する」といいます。

日本銀行をはじめ、経済力のある先進国の中央銀行は新たにお金を作り出すことができるんです。

これは、日本だけでなく、アメリカやEU、スイスなど経済力があり、自国通貨を発行できる国で機能することですが、
各国の国民はこのしくみについて知らされていません。

まだ、「よくわからないなぁ」という人もいるかと思いますが、みなさんのごく身近なところでもおなじようなしくみを使っているものがあるんですよ。

例えば、各種カードの「ポイント」制度です。

楽天ポイントを例にしますと、

楽天という会社は、皆さんの商品購入や会員加入という行為に対して、楽天が自由にポイントを発行しています。

皆さんは楽天市場の信用性や規模を考えて、楽天ポイントを使ったり貯めようとします。

つまり、楽天ポイントが機能しているということなので、楽天はまた新たにポイントを発行できるのです。

無名の会社のポイントも、その企業はポイントを発行できますが誰も利用しようとしないですよね?

そうするとポイントとして機能しないので、発行しても仕方がないのです。

同じように、その国の経済力や信用力が高ければ、その国の通貨を使おうとしますので、通貨を新たに発行できるのです。

経済力のない国は、自分の国の通貨は発行できても誰も利用してくれないので、発行しても仕方がないのです。
それゆえ、お金もないことになります。

日本銀行も同様に、日本国民だけでなく諸外国からも信用されているので、日本円を新たに発行できるのです。

通貨を発行できる力がある日本は、税金で足りない部分を新たに通貨を発行することで素早く埋め合わせができるはずなのに、一部の悪い人たちによってそれを邪魔されているのが現状なのです。

次回は、今までの話を踏まえて、みなさんが知っているようで知らない「デフレ」の問題についてお話します。

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コメント

  1. 一つ一つかみしめるように勉強させていただきました。とてもわかりやすくて丁寧な解説で、国債のことやポイント制度の例で頭の悪い私でも理解することができました。とてもとても感謝しています☆また、次回も楽しみにしています!

  2. いつもコメントしていただき、ありがとうございます。
    ご質問あれば、コメントしてくださいね。

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