マメ知識 「お金のしくみ」 3

マメ知識 「お金のしくみ」 3

マメ知識 「お金のしくみ」3

ところで銀行は、みなさんから莫大な預金を集めないと企業や個人にお金を貸し出すことはできないのでしょうか?

極端な話、銀行は皆さんの預金が無くても、0の状態からお金を貸し出すことができます。

そのしくみは、お金を貸す相手に自分のところで口座を作ってもらい、通帳を作成して、貸し出す金額を記帳するだけで貸し出したことになります。

例えば銀行がAさんに100万円を貸してあげたいなら、Aさんの通帳に1,000,000と記入すれば貸してあげたことになります。

拍子抜けするような話に思われますが、前回までお話してきた「お金のしくみ」を考えれば頷けると思います。

それはもちろん、銀行という「社会的信用」が認知されている存在だから、スムーズに世の中で機能できることでもあります。

世の中のお金のやり取りは大小さまざまありますが、必ず銀行(金融機関)を介して行われますので、
現代では銀行の通帳に記帳されることが「お金のしくみ」そのものといえます。

銀行や銀行の通帳が無かった昔は、人々がみな同様に「信用のおけるもの」と認識していた「金」や「銀」などが
貨幣と一緒にやりとりされていました。

もちろん、現在も金や銀は価値のあるものとして取り引きされていますが、あくまで商品のひとつという立場になっています。金の延べ棒を持って車を買いに行くことはしませんよね?

ところが、金や銀は量に限りがあり、国や場所によっては保有量が極端に少ないところがありますので、
そんな不安定なものが「お金」の役目を果たすことは到底できないのです。

実際、中世ヨーロッパのオランダで、戦争や混乱により金や銀の流通量が少なくなり、
その際、アムステルダム銀行が「保証」によるお金の貸し借りを始め、窮地を凌いだと言われています。
つまり、アムステルダム銀行が通帳を記帳することで、その保証で人々のお金の貸し借りを管理し処理していたということです。

当時はまだ、これが「お金のしくみ」であることは認識されていなかったようですが、
実際に機能したのです。

それではなぜ銀行は、みなさんに利息をつけてまで預金を集めるのでしょうか?

それは預金を集めることで、皆さんに口座を開いてもらうためです。
それが、お金を貸し付ける相手や各種手数料を取るお客を作ることになるからです。

銀行は皆さんの預金を集めても、それ自体は銀行の資産にはなりません。

お金を貸し付けて、それで稼いだ金利や各種手数料が銀行の資産となります。

いくら預金を集めてもそれだけでは、銀行にとって何の役にも立たないということです。

次回は、「お金のしくみ」を基に、みなさんが知るべきことなのに、知らされていない大切なことをお話します。

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コメント

  1. 中世ヨーロッパのオランダで実際にそういう事があったんですね。お金のしくみの認識がとても大事だと気づかされました。次回も楽しみにしています!

  2. お読み頂き有難うございます。
    もう少し上手に説明できればいいんですけど。

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