マメ知識 「お金のしくみ」 2

マメ知識 「お金のしくみ」 2

マメ知識 「お金のしくみ」 2

前回、お札や硬貨は道具であって、「お金」そのものではないとお話ししました。
そして、信用に基づきそれらを使用しているとお話ししました。

最近では、クレジットカードやスマホ決済など「キャッシュレス」での支払いが認知されてきていますので、
イメージがし易いかと思いますが、つまり皆さんが「お金」そのものと考えていたお札や硬貨がなくても
支払いや商品の売買がおこなえるということです。

クレジットカードやスマホ決済は、皆さんが銀行口座に残高があるという「信用」に基づいて利用できる道具ということになります。

デジタル技術が無く、クレジットカードやスマホ決済が使えないとしたら、そのしくみとしては、みなさんが銀行の通帳を持ち歩いて、商品やサービスを購入したときに、お互いの通帳に残高の記入をし合えればそれで決済が行えるということです。

例えば、通帳残高が100万円のAさんがBさんの1万円の商品を購入したら、Aさんは通帳残高を99万円に減らし、
Bさんの通帳に1万円を書き加えればいいのです。

現在ではこれをコンピューターが自動でやっているのです。

反対に、少し前までは技術が無かったために、お札や硬貨という信用力のある紙や金属でやり取りしていただけのことなのです。

ということは、「お金のしくみ」とはみなさんの銀行口座の残高を減らしたり増やしたりすることによって
支払いや商品の売買が行える、ということを意味します。

「信用」が裏付けされている個人の資産の数字をやりとりするのが「お金のしくみ」なのです。

現代社会では、みなさんの資産に信用力をつけるのは一般的に「銀行」という存在ですので、
みなさんの銀行口座の残高の数字を増やしたり減らしたりするということになります。

とはいえ、何でも記帳すればお金が生まれるというものではありませんよね?

「商品の購入」というものに対して残高が減らされたり、「返済義務」というものに対して、お金を貸してくれ、残高に加算されるのです。

通帳への数字の記入には必ずその対象が存在します。

その対象とは、大まかに要約すれば2者間の「貸し」「借り」ということになります。

みなさんがクレジットカードで商品を購入したら、支払いは1ヵ月後となります。
その間、みなさんは商品代金を「借りている」ことになりますし、販売側は「貸している」ことになります。

このように双方の「貸し」「借り」の関係を、信用力のある銀行の通帳に記録していくことが、
「お金のしくみ」なのです。

信用が保証されているお札や硬貨でやりとりしても、その瞬間は「貸し」「借り」の関係が成立しています。

ですから、「お金」とは物質的なものではなく、「貸し」「借り」の記録という関係性がそのしくみなのです。

このことがなんとなくでも理解できると、日本社会の経済情勢が簡単に見えてきます。

次回はそのあたりのお話しをします。

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コメント

  1. とてもわかりやすくて勉強になりました。もっと教えてほしいです。

  2. 読んでいただきありがとうございます。お一人でもお役に立ててうれしいです。

  3. 物質的に見てしまう感覚がありますが、貸し借りの記録の関係性がしくみだということが勉強になりました。何となくですがお金とは信用を数値化したもののように感じました。

  4. お読み頂き有難うございます。
    拙い説明ですいません。
    bichiさんがおっしゃるように、究極的には「お金=信用力」ということですね。
    国の信用力は「モノやサービスを生み出す力=経済力」ですし、個人であれば「能力であったり人間性」なんですよね。哲学的ですが、国も個人の集まりですから、国の信用力は国民性かもしれません。

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